【第3回】未経験向けMAYAモデリング講座

■UV展開
使用ツール:MAYA2018
 

いよいよUV展開です!
UV展開とは?という方もいるかもしれません。

テクスチャを描くための準備で、モデルにラップを貼っていると想像して、それを好きな所でカットして剥がして綺麗に並べる・・・

その上にテクスチャを描き込んでいく(ここはテクスチャの作業)

そんな作業になります!

好きな所でカットするのが

UV>平面のオプション□

カットしたものを綺麗に整えて並べることが出来るのが

UV>UVエディタ

このUV展開の仕方で

  • テクスチャの描きやすさ
  • テクスチャの各部位ごとの解像度 (顔は良くみられるので高解像度にしておきたいなど)

が決まってきます!
テクスチャのサイズなどはUV展開が終わった後、画像データに書き出す時に設定します。

どういったUV展開が良いと言われるかという点は、ゲーム系の3Dテクスチャと、映像系の3Dテクスチャで違ってきますのでこの記事ではゲーム系の3Dテクスチャにおいて、良いとされるUV展開をしていきます!

はじめに顔からUV展開していきます!
UV展開の流れをざっと説明したものになります。
 

UV展開

まず始めに、UV>UVエディタを開きましょう。
UV展開したい部分をフェース選択で選択しておきます。
その状態からUV>平面のオプション□のウィンドウを開きます。

平面のオプションではどの角度から今選択している部分を撮影しますか?といった内容になります。
顔の正面から撮影したUVが欲しいので、Z軸にチェックし適用すると、UVエディタ内に撮影されたUVが表示されます。これを顔のテクスチャが描きやすいように綺麗に広げて整理していきます。

どういう状態が綺麗なの?という疑問があると思います!

マテリアルにチェッカという市松模様が描かれたものを割り当てます。

この市松模様の四角1つ1つが歪みがない状態であると
テクスチャを描いたとき思わぬところで歪んだりしない、
綺麗なUV展開だといえます!

[新規マテリアル作成>マテリアルのアトリビュートエディタ>カラーのオプション□>チェッカ]

これをモデルに割り当てるとチェッカが確認できます。

次は少し細かく説明しながらUV展開を進めていきましょう!
手順的には同じことを繰り返しますので、UVエディタで使用するツールを覚えていただければ他の部位のUV展開も問題無く進められると思います!
 

ベレー帽の猫耳

ベレー帽の猫耳をどういう風に展開していくのか画像にまとめてみました!

  1. テクスチャを猫耳の前面と後面で分けて描きたいので、分けてUVを展開
  2. UVの形が丸まっているので広げるためにツール>スムーズを使用して広げます。

※UVが赤い裏面の状態でスムーズツールを使用するのはやめましょう!
 スムーズツールを使用の際は青い表面にしてからにしないと変な感じに広がってしまいます。

  1. UVが斜めになっているのでテクスチャが描きずらいと思います。
    これを真っすぐにして頂点もきっちり整列させていきます。使用ツールはUVツールキットから位置合わせしてスナップのアイコンを選択するとその通りに選択した頂点を整列してくれます。
  1. 猫耳の前面と後面どちらも真っすぐになってテクスチャが描きやすい状態になりましたので

これで猫耳のUV展開完了です!

 

三つ編み

そのままX軸(横)から撮影した状態のUVでもテクスチャが描けるかもしれません・・・が、私はもっと描きやすくしたい、あわよくばグラデーションツールだけを使ってテクスチャを描きたいので、三つ編みのUVを調整していきます!

こういう展開の仕方もあるのか~くらいの認識で問題無いです。

  1. まず留め具部分を別のUVにします。
  2. 斜めになっているので頂点の位置を合わせます。
  3. 三つ編みのひとつひとつを選択してUVを分けていきます。
  4. 三つ編み同士の接続部分の頂点を縦に揃えて、三つ編みを真っすぐにした状態になりました。
  5. 三つ編み部分のチェッカが歪んでいないか確認します。
  6. この状態ですと、グラデーションツールのみで画像のようなテクスチャが出来上がります!

画像にも記載してありますが、手順は同じことの繰り返しです!

マッピング→スムーズツール→頂点の位置合わせ→
・・・チェッカが歪んでいないか確認

何カ所かUV展開するとすぐにわかってくると思います。

頭部のUV展開が終了したので、全体を確認してみます!

ベレー帽の所だけチェッカの四角が大きいことが分かりました。
なので他の部分と同じくらいのチェッカになるまで、ベレー帽のUVを拡大していきます。

※チェッカは解像度の目安です。一部だけチェッカが大きいとそこだけ解像度が低い状態になってしまっています。一部分だけぼやけたテクスチャにしない為にも、チェッカの大きさを揃えていきましょう!

 

またこういったUV展開の仕方もあります!
足や腕の丸い部分にこのような手順でUV展開をしていきます。

 

UV展開が完了したら

全てのUV展開が完了しましたら、UVエディタ内の枠へ並べていく作業になります!
画像の赤い部分へUVを収めれるくらいにUV全体を縮小させます。

さぁ並べていくぞ!の前にこれだけはやっておいた方が良いポイントです。

模様がある部分はUVを大きくしておく事

人が無意識に目に留まってしまう顔周りは特に大きくした方が良いです!  顔がぼやけたテクスチャにしないためにも気を付けたい所です。 今回は顔・髪・帽子・上着辺りは意識してUVを大きくしました。

ここからはパズルのような作業です・・・
出来るだけ隙間が無いように並べるというのが大事です!!
そこまでする?くらいに隙間なく並べていきましょう。

隙間が多いと「テクスチャが描けるのに描けない部分」つまり無駄なデータになってしまいます。この隙間なく埋めれるようなUV展開が出来るようにモデリングの時、縦と横に頂点を揃えてきました。出来るだけ直線のUVだと、曲線のUVより隙間なく並べられますよね。

 

顔のUV

顔のUVは表情を変化させたかったので別にしました!
ゲームではUVを移動させて表情を変える方法があります。

 

UVを並べ終えたら

UVを並べ終わりましたらモデルを選択した状態で(今回は顔と体でUVを別けたので別々に)

UVエディタ内のイメージ>UVのスナップショット

ウィンドウが出てきますので各設定をします。

ファイル名:参照からプロジェクトファイル内のsourceimagesへ保存(名前はUVなどでOK)
イメージフォーマット:Targa
サイズ:1024×1024(とりあえずこのサイズで良いと思います!)

設定し終えたら、適用!

顔は画像データに書き出せたので、同じ手順で体も選択し、UVのスナップショットをします。

 

画像データに出来たら

PhotoshopなどでUVを画像にしたものを開いてみましょう! こんな感じでUVエディタそのままに画像になっています。これにテクスチャを描き込んでいくことになります。

試しに下地を塗ってみました!

部位ごとにUV展開したので、問題無く下地の色も描くことが出来ました。

顔と体のUVとテクスチャが別なのでマテリアルも別々です。

UV展開については以上になります!

着々と完成に近づいているのが分かる瞬間ですね。
この画像にテクスチャを描き込んでいけば完成!となります。

モデリングの時に真っすぐに!綺麗に!と言っていた意味などが解明されたのではないかなと思います。UVを並べる時に隙間なく並べることが出来たら他の人にデータを見せた時、おぉー!と思われますよ!(ゲーム用のモデリング時)

データ的にはモデル自体よりテクスチャの画像データの方が容量を使うので、画像データを小さくしたいけどぼやけてほしくないからUVを大きくとってぎちぎちにパズルしている・・・といった事情ですね(そうなの?)

以上となります!

次回はテクスチャ編です。

しなぷーちゃんのキャラクター的にごてごてなテクスチャを描くわけではないので、参考になるかはみなさんの作風によりますが、見ていただけると幸いです!

今回も目を通していただき、ありがとうございました!
次回もよろしくお願いいたします。