CLIP Studioは、とてもなめらかな線が描けるツールですが、線がきれいすぎると感じたことはないでしょうか。
ちょっとアナログ風にしたいと思った時に、線がなめらかなためデジタル感が抜けないことがあります。
ちょっとざらついたブラシを使ってテクスチャもみても、それほどアナログっぽくない…
- デフォルトのブラシだとランダム感が足らない…
- アナログっぽいブラシを作るのも探すのも面倒…
- すでにきれいな線で描いてしまったが雰囲気が合わない…(でも描き直したくない!)
- 既存の線画を印刷物っぽくしたい
今回はこういった場合に簡単に線を粗くして、下のようにインクがにじんで
線がつぶれた線画のような質感を出す方法を紹介します。
※線画限定です
①フリーハンドで主線を描きます(ラインツールを使ってもokです)
レイヤーはベクターでもラスターでもどちらでもかまいません。
(ラスター/ベクターレイヤーについて、ここでは説明いたしませんので、わからない方は検索してください)
・Gペン
筆圧をオフにして線の太さを一定に設定しました
・リアルGペン
Gペンとの差を見るために筆圧をオンにして線に強弱を付けています
(コーヒーミルの土台と取手の部分は別レイヤーで薄く色を入れ
全体にテクスチャを入れています)
②陰影を付けるために線を描きこみます
リアルGペン:陰影の線は、加工するときに結構つぶれるので、主線よりやや細めの方が良いです
③線画のレイヤーを1枚のラスターレイヤーに統合します
ベクターレイヤーに描いていたり、レイヤーを分けていた場合は統合して
ラスターレイヤーにラスタライズしてください
※背景等は統合せず、線画のレイヤーのみ統合
④ラスタライズ/統合したレイヤーを、今度はベクターレイヤーに変換します
・線画レイヤーを右クリックし、メニューからレイヤーの変換を選択
・ダイアログで【種類】をベクターに変更
・ベクター設定を調整
参考画像はこの設定にしました
いろいろ試してみてほどよい設定を探してみてください
(線を黒にしたくない場合は【すべて黒で出力】のチェックをオフにしてください)
ガタガタしすぎたり線が切れてしまったりした部分は、消したり描きこんだりして微調整してください。
主線のみだとこれぐらいのがたつきになります
(線はガタついたり歪みが発生するものの、リアルGペンのざらついた感じは失われてしまいます)
ラスターレイヤーのベクター化は、上記のように線が荒れるため
使用されていない方も多いのではないかと思いますが、物は使いようなので
レトロな印刷物やスタンプ素作成時など、線にサクッと揺らぎを足したい時に
お試しいただければと思います。
もちろんフォント等もラスタライズしてからベクターへ変換すると荒れますので
線や形にサクッとがたつきを持たせたい時に使ってみていただければと思います。
設定の数値をいじってみたり、ラスター→ベクター→ラスタライズ→ベクターを繰り返すと
どんどん荒れていきますので、お好みでがたつかせていただければと思います。
◆使用例◆
かすれテクスチャを追加すると、それっぽくなります。